新型ヴェゼルの詳細スペックの予想

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 現在公開されているヴェゼルの最新情報はグレード分とパノラマルーフの搭載、CarPlayに対応したナビゲーションの搭載などである。

 

 グレードはガソリンG、HVX、HVZ、HVplayの4つと非常にシンプルになっておりRSやツーリングなどのスポーツグレードは廃止だ。パノラマルーフはオプション装備及び最上級グレードに標準装備が予想されている。また最上級グレードにはホンダコネクトナビも標準装備となる予定だ。

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 また今回後席のオーディオ音質もかなり拘って開発されている。ホームページの画像では後席のツイーターが確認できるため少なくとも8スピーカー以上になると予想される。現行型は上級グレードでも最大6スピーカーであり大幅な音質向上が期待される。

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 最後にパワートレインとシャシーだ。ハイブリッドグレードは1.5のeHEVでほぼ確定だ。ガソリンモデルに関しては1.0ターボか1.5NAのどちらかになるかまだ公表されていない。ヴェゼル のehevではより高出力化されたインサイトのシステムが搭載されるだろう。モーター出力131psでトルクが267Nmとなる。それに109psトルク134Nmのエンジンが追加される。北米仕様の公表値によるとシステム出力は153psで現行型の152psとほぼ同等でありトルクは大幅に向上している。

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 またシャシーはフィットベースではなく新開発のホンダグローバルアーキテクチャーが採用されるため更なる高剛性化と軽量化が期待でき現行比で軽量化に成功できるとなるとベースグレードで1250キロ上級グレードで1300キロほどになるだろう。インサイトが車重1400キロほどで燃費がWLTCで約28なのでヴェゼルも近い数値になるだろう。またインサイトは0〜100加速が7秒前半かつゼロヨンが15.8秒なので軽量化されたヴェゼルではそれ以上の数値が期待できる。最後に装着タイヤの予想だが、テストカーが目撃され始めた当初の頃に大径ホイールを履いたグレードのテストカーにミシュランのプレミアムタッチデザインの様なものが見られた。そのため上級グレードには18インチ 以上のミシュランプライマシー4 が装着されるのではないだろうか。

 

 

 

なんちゃって4駆??4WDフィット3の雪上実力。

 今回はフィット3ハイブリッドの4WDモデルを雪山で運転する機会を得た。フィット3の4WDは、従来のホンダ車が採用してきたデュアルポンプ式を改め、ビスカスカップリング式の4輪駆動を搭載している。

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 従来からホンダの4WDは、雪道での評価が非常に悪い。原因としては後輪へのトルク伝達のレスポンスが悪いことが挙げられる。しかし今回のシステムは従来型に比べ、レスポンスが大幅に高められ、深雪での発進性能は従来型より改善がされていた。踏み始め、コンマ数秒のタイムラグはあるが、すぐに後輪にトルクがかかり、更に後輪のトルク量が増大し、エンジン回転が上がり切ったところでフロントメインに戻る感じだ。バンパーに当たらない程度の雪では、発進の僅かなラグがネガティブな印象は与えることは少なかった。

 雪道での発進走破性能に関しては、FFヴェゼルより明らかに上である。また、アクセルオンでの安定性も非常に高い。ちなみに、比較対象としたFFヴェゼルは、大寒波が襲った2020年末に、夏油高原スキー場(全国2位の積雪量を誇る)まで問題なく走り抜けることができた。以上を踏まえるとバンパー上の積雪量でない限り、問題なく使える4WDだと言える。

 

 続いてコーナリング性能の話になるが、これには筆者も驚いた。FFベースの生活四駆として想像されるのは、アクセルオンでアンダーになる退屈なものだ。しかし、フィットの場合はアクセルオンでのリアのトルクが強く、尚且つレスポンスも良いため、ノーズがイン側にしっかり向きを変える。軽くテールスライド状態になるものの、スピン状態になる前にフロントにトルクがかかり、ゼロカウンタードリフト状態でコーナーをクリアすることができた。更にVSAを全解除し振り回してみたが、操作性が一定であり非常にコントロールしやすい。自由自在にテールを振り回せる他、コーナー進入から脱出までの車の動きがスムーズで乗りやすい。上記の要因として考えるのは2つである。一つは前後重量配分の良さだ。後輪にドライブシャフトなどを設ける事により、FFモデルより重心が後退し、コーナー進入時のアンダーが少ない。しかし、基本的にフロントの方が重いためコーナリング中に大きくテールが勝手に流れることなく立て直しもしやすい。

 2つ目の要因は、前後トルク配分の変化が非常にスムーズであることも大きい要因の一つだ。コーナリング中のアクセルオンで、後輪トルクが強くなり、その後フロントトルクが強くなるが、その変化がスムーズなため、唐突なアンダーやオーバーがでない。

 今回あまり期待していなかったモデルであるが、想像以上に良くできており、雪道を安全に楽しく走ることが出来る車であった。生活4WD車として高く評価できる車であったが、今回フィット3そのものの基本性能の高さ、シャシーの出来の良さも感じることができた。慣れるまで癖を感じるハイブリッドなど、ネガティブな部分も僅かにあったが、1.5Lとは思えない加速や燃費など、4WDグレードに限らずお勧めできる一台だ。

ヴェゼルはサーキットで意外と速い?!

2020年の6月筆者は意外な車でタイムアタックする機会があった。コースは福島県エビスサーキット西コースだ。

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 車両はなんと後期型のヴェゼルハイブリッドRSだ。気温は30度近くとタイムアタックに好条件とは言えないが、1.5LハイブリッドのSUVが一体どんなタイムを記録できるのだろうか。

変更内容

・タイヤ⇨ミシュランパイロットスポーツ4S

・サスペンション⇨無限ヴェゼルスポーツサスペンション

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 パイロットスポーツ4sは純正より遥かにグリップは高いが、タイムアタックに使用されるハイグリップタイヤほど過激なグリップではなく、サイズも純正と全く同じだ。また、サスペンションも無限がヴェゼル専用に販売している純正形状のもので、乗り心地も考慮して開発されている。上記の変更意外は、全て納車時の状態だ。

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 スポーツモードに切り替えコースイン、フォーメーションラップでタイヤを温めつつ駆動用バッテリーの充電をフルにする。まず全開加速だが、2.5Lクラスのセダンにも引けを取らない加速を見せた。4速への変速で、一瞬パワーバンドから外れるがすぐに加速感が伸び、ホームストレートで160キロ近くまで加速した。これは一緒に走行していた86(zn6)と遜色がない数値であった。

 次に特筆する点は、高荷重にも余裕なシャシー性能の高さだ。ヘアピンなどのRがキツイコーナーでは、重心の高さと車重を感じるが、更にステアリングを切り込んでもノーズがしっかり反応する。また、過度にフロントに荷重をかけてもステアフィールが全く変化せず、リアがいきなり破綻することもない。そのおかげで、高速コーナーやS字コーナーではかなり速くスタビリティーもすこぶる高い。

  その結果ベストタイムは..

       1分16秒05 !!

 エビス西のタイムは筑波のタイム+2〜4秒ほどと言われている。気温が30度近いことを考えると、タイヤとサスペンションを変えるだけで筑波1分13秒ほどでラップできるポテンシャルを持っているということになる。  

 

アタック動画  https://youtu.be/Tfc4TiMHRco

 

 一周の全開走行でほとんどバッテリーを使い切ってしまい、ホームストレートでも150弱しか出なくなってしまう。これだけ走れてしまうので、次期型ではサーキットでも電欠にならないよう対策をしてもらえれば、更に面白いのではないだろうか。

 

 

 

[辛口批評]86GR サーキットインプレッション

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 今回試乗したのはトヨタ86GRだ。フィールドは富士スピードウェイのショートコースで86を評価するには充分なコースだ。

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 86GRはカタログスペック上の変更はなくパワー、トルク共に標準車と全く同じである。主な変更点としてはブレーキ、サスペンションを始めとした足回りのチューンが中心だ。

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 ドアを開け、レカロ製のシートに座ると意外なほど普通に座れてしまう。体を包まれる様なスポーツカーらしい特別感はないが、普段使いも考慮すると丁度良いと言えるだろう。次に目に入るのは白い専用メーターだがここは好みの問題である為、今回はあえてコメントは控える。

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 スペックのこともありあまり期待せずにコースインしたが、いい意味で86GRは期待を裏切ってくれた。エンジンはやはり標準車と同じだ。高回転で特別気持ち良く伸びていくフィールはないが、中速トルクが厚く5千回転から7千回転まで綺麗にパワーがついてくる。4千回転付近のトルクの谷は少々気になるが、全体的に扱いやすい出力特性だ。次にハンドリングだが、ステアリングきり始めの反応からして違いを感じた。ノーズが反応した後で、タイヤに荷重を感じる標準車に対して、GRは荷重の手応え、ダンパーの撓みに合わせてノーズが反応する。恐らくサス周辺の剛性アップ、サス取り付け精度の向上を行なっているのだろう。またブッシュ類の変更を行なっている可能性も考えられる。

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 更に荷重を掛けていくと、ロール角は少ないがしなやかな足に感じる。これは上記の改良により、サスがより仕事をする様になったためだろう。サスのセッティングとしてはリアをより動かすことで、235に拡大されたリアタイヤの性能を最大限利用している。結果ゼロカウンターの様な姿勢が作りやすい。何より装着タイヤとのマッチングがバッチリだ。装着タイヤはミシュランPS4で特別ハイグリップではないが、絶妙なバランスのおかげかコーナリング速度はかなり速い。このタイヤを含めたバランスの良さは、ベースである86の基本性能の高さの証明であると言える。またブレーキの制動力の立ち上がりが良くコントロール性もバッチリだ。

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 しかしコーナー進入で、フロントにジワっと荷重をかけ旋回すると欠点も顔出した。コーナー進入で、ノーズが反応してから最大グリップを発生させて旋回するまで若干フィーリングのタイムラグを感じた。Aピラー根本からフロントサスのアッパーマウントまでの距離があるため、荷重をかけるとそこが微妙に撓んでいるのだろう。これに関しては更なるエンジンルームの補強で改善されると思うので手を入れて欲しかった。またシフトフィールも少々気になった。これは標準車と同じだが、3速が入りにくい。ギアボックスは比較的ショートでゴリッゴリッと言った感じで悪くはない。だがストローク量に対してシフトノブが長いのか違和感を感じてしまった。GRMNではギア比自体も変更されているので全体的なフィーリングの改良に期待したい。

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 車両価格500万近くとコスパが良いとは言えないが、チューニングの煮詰め具合はお金を出しても簡単に手に入れられるものではないだろう。価格の割に飛び道具はないため、絶対的な速さや所有欲を求める方にお勧めできる車ではないが、高バランスがもつ本当の意味でのドライビングプレジャーを知る大人には、是非ともお勧めしたい一台だった。